pipsとは?計算方法と1pipsが日本円でいくらか早見表つき

 


FXを調べていると、必ず出てくるのがpipsという単位です。

「今日は30pips取れた」「損切りは20pipsに置いている」といった使われ方をしますが、始めたばかりだと、それが日本円でいくらなのかが分かりません。

しかもpipsは、通貨ペアによって意味する金額が変わります。とくにユーロ/ドルのように円が絡まない通貨ペアでは、計算にもう一手間が必要です。

この記事では、pipsが何を指しているのかを整理したうえで、日本円に換算する手順まで扱います。

pipsは、通貨ペアに共通する値幅の単位

pipsは percentage in point の頭文字をとった pip の複数形で、読み方はピップスです。

FXでは米ドル、ユーロ、ポンドなど単位の違う通貨を扱います。そのまま「1ドル動いた」「1ユーロ動いた」と表現すると、どれくらいの変動なのか比べられません。

そこで、通貨ペアをまたいで値幅を表せる共通の単位としてpipsが使われています。

通貨ペアによって、1pipsが指す桁が違う

ここが最初の分かれ道です。

通貨ペアの種類1pips
円が絡むペア(クロス円)0.01円(1銭)米ドル/円 159.00 → 159.01 で1pips
円が絡まないペア0.0001ユーロ/米ドル 1.0800 → 1.0801 で1pips

米ドル/円やユーロ/円は小数点第2位、ユーロ/米ドルやポンド/米ドルは小数点第4位が1pipsにあたります。

pipsは「最小単位」ではない

多くの解説がpipsを最小単位と書いていますが、正確には違います。

クロス円のレートは通常、159.123円のように小数点第3位まで表示されます。この第3位は0.1pipsです。円が絡まないペアも小数点第5位まで表示されるのが一般的で、第5位が0.1pipsにあたります。

つまりpipsは、値幅を語るときの基準となる単位であって、表示される最小の単位ではありません。スプレッドが「0.2銭」と表示されるのも、この0.1pips刻みがあるためです。


円が絡むペアの計算

クロス円は単純です。

損益 = 獲得pips × 0.01円 × 取引数量

米ドル/円で1万通貨を取引し、10pips取れた場合。

10pips × 0.01円 × 10,000通貨 = 1,000円

早見表(クロス円)

取引数量1pips10pips100pips
1,000通貨10円100円1,000円
10,000通貨100円1,000円10,000円
100,000通貨1,000円10,000円100,000円

100pipsは1円の値動きです。米ドル/円が159円から160円になれば100pipsということになります。


円が絡まないペアの計算

ここが本題です。ユーロ/米ドルやポンド/米ドルでは、手順が1つ増えます。

これらのペアの1pipsは0.0001ドルなので、計算するとまずドル建ての金額が出ます。日本円で見るには、そこからさらにドル円レートを掛ける必要があります。

手順1:獲得pips × 0.0001ドル × 取引数量 = ドル建ての損益 手順2:ドル建ての損益 × ドル円レート = 円建ての損益

実際に計算する

ユーロ/米ドルで1万通貨を取引し、10pips取れた場合。ドル円は159円とします。

手順1

10pips × 0.0001ドル × 10,000通貨 = 10ドル

手順2

10ドル × 159円 = 1,590円

同じ「10pips、1万通貨」でも、クロス円なら1,000円、ユーロ/米ドルなら約1,590円です。

円換算額は、ドル円レートで変わる

さらに注意が必要なのは、この円換算額が固定ではないことです。

同じ10ドルの利益でも、

  • ドル円が159円のとき → 1,590円
  • ドル円が150円のとき → 1,500円
  • ドル円が140円のとき → 1,400円

ユーロ/米ドルの取引で得た損益なのに、ドル円の水準によって円建ての金額が変わります。ユーロ/ドル自体の値動きとは無関係な要因です。

早見表(円が絡まないペア)

ドル円を159円として換算した場合の目安です。

取引数量1pips10pips100pips
1,000通貨0.1ドル(約16円)1ドル(約159円)10ドル(約1,590円)
10,000通貨1ドル(約159円)10ドル(約1,590円)100ドル(約15,900円)
100,000通貨10ドル(約1,590円)100ドル(約15,900円)1,000ドル(約159,000円)

ドル建ての数字は固定ですが、円換算はドル円の水準しだいで変わります。




pipsは、通貨ペアをまたいだ比較には使いにくい

pipsは共通の単位です。しかし「共通の単位で測れる」ことと「同じ意味を持つ」ことは別です。

たとえば「今日は30pips取れた」という話を、米ドル/円とポンド/円で比べたとします。単位は同じ30pipsですが、その難しさは同じではありません。

通貨ペアによって1日に動く値幅の大きさが違うためです。値動きが大きいペアでは30pipsは相対的に小さく、値動きが小さいペアでは同じ30pipsが相対的に大きくなります。

さらに、円が絡まないペアでは金額換算そのものが変わります。先ほど見たとおり、同じ10pipsでもクロス円とユーロ/米ドルでは金額が違いました。

pipsが役に立つのは、同じ通貨ペアで自分の取引を比べるときです。「先週は平均15pips、今週は20pips」といった使い方なら意味があります。

通貨ペアをまたいで「pipsが多いほうが良い取引」と判断すると、実態とずれます。


スプレッドもpipsで表される

pipsは値幅だけでなく、スプレッド(売値と買値の差)の単位としても使われます。

米ドル/円のスプレッドが0.2銭と表示されている場合、これは0.2pipsです。

ここから分かるのは、取引を始めた瞬間の状態です。買った直後は、スプレッド分だけマイナスから始まります。0.2pipsのスプレッドなら、0.2pips以上動いて初めて利益の領域に入ります。

「10pips取る」という目標を立てるとき、実際に必要な値動きは10pipsではなく、スプレッド分を上乗せした値です。

コストの詳しい計算はFXの手数料は本当に無料?で扱っています。


よくある質問

1pipsは日本円でいくらですか

通貨ペアと取引数量によります。米ドル/円を1,000通貨なら1pipsは10円、1万通貨なら100円です。ユーロ/米ドルなど円が絡まないペアでは、いったんドル建てで計算してからドル円レートで換算します。

pipsと銭は同じものですか

クロス円では実質同じです。1pips=0.01円=1銭です。「0.2銭」と「0.2pips」は同じ値を指しています。

100pipsはどのくらいの値動きですか

クロス円では1円です。米ドル/円が159円から160円まで動けば100pipsになります。

なぜ通貨ペアで桁が違うのですか

通貨ごとに1単位の価値が違うためです。1ドルは約159円、1ユーロは約1.08ドルというように、レートの桁数そのものが異なります。それぞれのペアで実用的な刻みを1pipsとした結果、桁が分かれています。

1日に何pips取れれば良いですか

目安はありません。取引スタイル、通貨ペア、取引数量によって意味が変わるためです。同じ20pipsでも、取引数量が10倍なら金額は10倍になります。pipsだけを目標にすると、金額の実感から離れます。


まとめ

  • pipsは通貨ペア共通の値幅の単位。percentage in point の略
  • クロス円は0.01円(1銭)、円が絡まないペアは0.0001が1pips
  • pipsは最小単位ではない。0.1pips刻みまで表示される
  • クロス円の損益は「獲得pips × 0.01円 × 取引数量」
  • 円が絡まないペアは、ドル建てで計算してからドル円レートで換算する
  • 同じ10pipsでも、円換算額はドル円の水準で変わる
  • pipsは通貨ペアをまたいだ比較には使いにくい。同じペアで自分の取引を比べるときに役立つ

pipsは値幅を語るための単位であって、金額そのものではありません。取引の前に、自分の通貨ペアと取引数量で1pipsがいくらになるかを出しておくと、注文の判断がしやすくなります。

取引数量と資金の関係はレバレッジとはで、用語全体はFXのしくみをたしかめるにまとめています。


※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FXには損失が生じるリスクがあります。取引の判断はご自身の責任において行ってください。

※円換算の計算例は2026年8月時点のドル円の水準(1ドル=159円)にもとづくものです。レートが変われば金額も変わります。1pipsの定義は会社によって異なる場合があるため、実際の条件は各社の公式サイトでご確認ください。

コメント

このブログの人気の投稿

ローソク足とは?見方と主要パターンを四本値から整理する

スワップポイントとは?受け取る金額が、何円分の値動きに相当するか計算する

FOMCの利上げ確率はどこで見られる?市場の織り込みを確認する方法