日米そろって利上げ、金利差は変わらなかった|スワップと証拠金を計算し直す
9月16日にFOMCが利上げを決め、
18日に日銀も利上げを決めました。
どちらも0.25%の引き上げです。
そして金利差は、引き上げの前後で変わっていません。
この記事では、両方が動いたのに差が変わらない構造を確認し、
持っているポジションの前提をどう置き直すかを計算します。
この記事の要点
- 米国は3.75〜4.00%、日本は1.25%になった。どちらも0.25%の引き上げで、金利差は2.625%のまま変わらない
- それでも米ドル/円1万通貨の受取額は1日111円から113円に増える。為替が154円から157円台に動いたため
- 日本の新しい金利が適用されるのは9月24日から。決定の日と適用の日は別になる
何が決まったか
| 日付 | 会合 | 決定 | 賛否 |
|---|---|---|---|
| 9月16日 | FOMC | 3.50〜3.75%から3.75〜4.00%へ | ― |
| 9月18日 | 日銀 | 1.0%程度から1.25%程度へ | 賛成7・反対2 |
日銀の反対2票は、いずれも据え置きを主張したものです。
浅田委員は足元の消費者物価が2%を下回る点を挙げ、
佐藤委員は経済・物価が加速している状況にはないとしています。
1.25%は1995年以来の水準です。
6月の引き上げから3か月での追加になります。
両方が上がると、差は動かない
米国の誘導目標は幅で示されるため、中央値で比べます。
| 項目 | 9月17日まで | 9月18日以降 |
|---|---|---|
| 米国 | 3.625% | 3.875% |
| 日本 | 1.00% | 1.25% |
| 金利差 | 2.625% | 2.625% |
3.875% − 1.25% = 2.625%
引き上げ幅が同じなので、差は引き算で消えます。
金利差から計算されるスワップの前提は、
この部分については変わっていないことになります。
それでも受取額は増える
計算の前提でもう1つ動いたものがあります。
為替そのものです。
14日の時点では154円で計算していました。
18日は157円台で推移しています。
1万通貨の元本にあたる金額が変わります。
10,000通貨 × 157円 = 1,570,000円
1,570,000円 × 2.625% = 41,213円
41,213円 ÷ 365日 = 約113円
154円のときは1日約111円、1年で約40,425円でした。
1日あたり2円、1年で約790円の増加です。
金利差が同じでも、円建ての元本が増えれば受取額は増えます。
計算の手順は
スワップポイントとは?受け取る金額が、何円分の値動きに相当するか計算すると同じです。
ただし、1円の値動きが1万円であることは変わりません。
10,000円 ÷ 113円 = 約89日
受け取り89日分が、1円の逆行で消えます。
90日から89日になっただけで、関係そのものは動いていません。
新しい金利が効き始める日
決定された日から新しい水準になるわけではありません。
日本の新しい政策金利が適用されるのは、
連休明けの9月24日からです。
スワップの計算に使われる調達金利も、
この適用に合わせて動きます。
会合の当日に口座の提示値を見て、
変わっていないと判断するのは早い、ということになります。
必要証拠金も動いている
見落としやすいのがこちらです。
必要証拠金は取引金額の25分の1なので、
為替が上がれば必要な金額も増えます。
154円 1,540,000円 ÷ 25 = 61,600円
157円 1,570,000円 ÷ 25 = 62,800円
1万通貨で1,200円の増加です。
米ドルを買っている側なら評価益が出ているため、
この増加は埋まります。
売っている側は逆です。
評価損が出たうえに、必要証拠金も増えます。
維持率は2つの理由から同時に下がります。
耐えられる値幅の計算は
FOMCをまたいでポジションを持つか?何円の逆行まで耐えられるか計算するで扱っています。
利上げなのに円安に動いた
18日の米ドル/円は、公表前が156円台前半でした。
公表後に156円86銭まで上昇し、
その後157円台、夜には一時158円台をつけています。
利上げが決まった側の通貨が売られた形です。
報道では、利上げ自体が事前に織り込まれていたことと、
反対2票がいずれも据え置きを主張する側からだったことが
理由として挙げられています。
織り込みが何を指すかは
FOMCの利上げ確率はどこで見られる?市場の織り込みを確認する方法で整理しています。
ここで確かめられるのは、
政策金利の水準と、為替の動く向きが
その場で一致するとは限らない、という事実です。
自分で確かめる手順
- 2つの中央銀行の公表文で、新しい政策金利を確認する
- 幅で示される場合は中央値を取り、差を計算する
- 現在の為替レートで元本を計算し直し、金利差を掛ける
- 365で割って1日あたりに直す
- 新しい金利の適用開始日を確認し、その日以降に口座の提示値と突き合わせる
相場のイベントを扱った記事は
相場をたしかめるにまとめてあります。
陥りやすいミス
利上げがあったから金利差が広がったと考えること。
広がるのは片方だけが動いたときです。
今回は両方が同じ幅で動いたため、差は変わっていません。
決定の当日にスワップが変わると考えること。
適用は9月24日からです。
反映のタイミングは決定日と一致しません。
為替が動いても必要証拠金は変わらないと考えること。
取引金額が円で計算される以上、
レートが上がれば必要な金額も増えます。
おさらい
- 米国は3.75〜4.00%、日本は1.25%。どちらも0.25%の引き上げ
- 金利差は2.625%のまま変わらない
- 米ドル/円1万通貨の受取額は1日約113円。増えたのは為替が157円台になったため
- 1円の逆行で消える日数は90日から89日へ。関係は変わっていない
- 日本の新しい金利の適用は9月24日から
- 必要証拠金は1万通貨あたり61,600円から62,800円へ増えている
次に読む記事として、スワップの計算手順なら
スワップポイントとは?受け取る金額が、何円分の値動きに相当するか計算する。
会合をまたぐ判断なら
FOMCをまたいでポジションを持つか?何円の逆行まで耐えられるか計算するが続きになります。
本記事は情報提供を目的としたもので、
特定の取引を推奨するものではありません。
政策金利は米連邦公開市場委員会と日本銀行の公表内容、
為替の水準は2026年9月18日時点の報道により確認したものです。
スワップの金額は金利差から計算した理論値で、
実際に付与される金額とは異なります。
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