スワップポイントとは?受け取る金額が、何円分の値動きに相当するか計算する

 



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高金利の通貨を持っていれば毎日お金が入る。
スワップポイントはそう説明されることが多い数字です。

ただ、1日にいくら入るのか、
その金額が為替の値動きと比べてどれくらいの大きさなのかは、
説明の中にあまり出てきません。

この記事では、政策金利からスワップの理論値を計算し、
それが何円分の値動きに相当するかを確かめます。

この記事の要点

  • スワップポイントは2国間の金利差から生じ、買いか売りかで受け取る側と支払う側が入れ替わる
  • 米ドル/円1万通貨、金利差2.625%の理論値は1日およそ111円、1年で約40,400円
  • 1万通貨では為替が1円動くと1万円になる。受け取り90日分が1円の逆行で消える計算になる

スワップポイントは何から生まれるか

通貨を買うことは、その通貨を保有し、
もう一方の通貨を手放すことを意味します。

金利の高い通貨を持ち、低い通貨を手放している状態なら、
その差を受け取ります。

逆の向きで持てば、差を支払います。
これがマイナススワップです。

2026年9月14日時点の政策金利は次のとおりです。

国・地域政策金利内容
米国3.50〜3.75%フェデラルファンド金利の誘導目標
日本1.0%程度無担保コールレート翌日物の誘導水準

米国の誘導目標は幅で示されるため、
中央値の3.625%を使うと、金利差は2.625%になります。

1日いくらになるか計算する

米ドル/円を1万通貨、為替を154円として計算します。

元本にあたる金額は次のとおりです。

10,000ドル × 154円 = 1,540,000円

ここに金利差をかけると、1年分の理論値が出ます。

1,540,000円 × 2.625% = 40,425円

365で割ると1日あたりになります。

40,425円 ÷ 365日 = 約111円

1日111円、1年で約40,400円です。
これが金利差だけから計算した理論値になります。

その金額は、何円分の値動きに相当するか

ここからが確かめたい部分です。

1万通貨の取引では、
為替が1円動くと損益は1万円変わります。

10,000通貨 × 1円 = 10,000円

受け取りが1日111円なので、
1万円に達するまでの日数はこうなります。

10,000円 ÷ 111円 = 約90日

90日分の受け取りが、
為替1円の逆行で相殺される計算です。

2円なら181日分になります。



ロット数を増やしても、この日数は変わりません。
受け取りも評価損も同じ倍率で増えるためです。

必要な資金とロットの関係は
FXのレバレッジとは?計算方法と25倍の意味をわかりやすくで計算しています。

受け取る側と支払う側は対称ではない

ここまでは金利差だけを使った理論値です。
実際に提示される金額は、これとは一致しません。

スワップの元になるのは政策金利そのものではなく、
金融機関どうしが資金をやり取りするときの調達金利です。

そこに取引を成立させるための費用が加わるため、
買いで受け取る金額より、
売りで支払う金額の方が大きくなるのが通常です。

この差があるため、
同じ通貨ペアを買いと売りで同時に持っても、
金利差だけを取り出すことはできません。
持ち続けるほど差額の分だけ減ります。

3日分がまとめて付く日がある

為替の取引は、約定した日の2営業日後に受け渡しが行われます。

水曜日に持ち越すと、受け渡し日が土日をまたいで月曜になります。
このため、土日の2日分を含めた3日分が一度に計算されます。

受け取る側なら3倍になりますが、
支払う側でも同じく3倍になります。

付与の基準はニューヨーク市場の終了時刻です。
日本時間では夏時間で午前6時、冬時間で午前7時にあたります。

この時刻をまたがずに決済した場合、
その日のスワップは発生しません。

金利差は動く

ここまでの計算はすべて、
現在の政策金利を前提にしています。

2026年9月15日から16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、
17日から18日に日銀の金融政策決定会合が開かれます。

どちらも政策金利を決める会合です。
水準が変われば金利差が変わり、
翌営業日以降の計算の前提も変わります。

それぞれの会合で何がどう決まるかは、
FOMCとは?日程・ドットプロット・為替への影響
日銀の金融政策決定会合とは?日程・決まり方・為替への影響で整理しています。

市場が変更をどの程度見込んでいるかは、
FOMCの利上げ確率はどこで見られる?市場の織り込みを確認する方法の手順で確認できます。

自分で確かめる手順

  1. 2つの通貨の政策金利を、中央銀行の発表で確認する
  2. 想定する通貨量と為替レートを掛けて、元本にあたる金額を出す
  3. 元本に金利差を掛けて1年分、365で割って1日分を出す
  4. 1円の値動きが自分の通貨量で何円になるかを出す
  5. 4を3で割り、何日分の受け取りに相当するかを確かめる

通貨ペアを変えても手順は同じです。
金利差が大きいほど日数は短くなりますが、
値動きの大きさも通貨ごとに違うため、
ペアごとに計算し直す必要があります。

FXのしくみに関する記事は
FXのしくみをたしかめるにまとめてあります。

陥りやすいミス

受け取る金額だけを見て、値動きと比べないこと。

1日111円は、1万通貨で為替が0.0111円動いた分と同じです。
同じ土俵に乗せて初めて大きさが分かります。

買いと売りを同時に持てば金利差だけ取れると考えること。

受け取りより支払いの方が大きいため、
時間の経過とともに差額が積み上がります。

金利差が今後も同じだと前提すること。

政策金利は会合ごとに見直されます。
受け取る側だった通貨ペアが、
支払う側に変わることもあります。

おさらい

  • スワップポイントは2国間の金利差から生じ、持つ向きによって受け取りと支払いが入れ替わる
  • 米ドル/円1万通貨、金利差2.625%の理論値は1日約111円、1年で約40,400円
  • 1万通貨では1円の値動きが1万円。受け取り90日分と同じ金額になる
  • 提示される金額は金利差そのものではなく、調達金利に費用が加わった結果になる
  • 水曜日の持ち越しでは3日分がまとめて計算される。支払う側でも3倍になる
  • 金利差は政策会合ごとに変わりうるため、前提は定期的に置き直す

次に読む記事として、必要な資金とロットの関係なら
FXのレバレッジとは?計算方法と25倍の意味をわかりやすく

金利差が動く場面を確かめるなら
FOMCとは?日程・ドットプロット・為替への影響が続きになります。

本記事は情報提供を目的としたもので、
特定の取引を推奨するものではありません。

本文の金額は金利差から計算した理論値であり、
実際に付与される金額とは異なります。
政策金利は2026年9月14日時点で確認したものです。

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