FOMCとは?日程・ドットプロット・為替への影響

 



米国の金融政策を決めるのがFOMCです。日本の日銀金融政策決定会合にあたります。

年8回開かれ、決定内容は世界の金融市場に影響します。ドル円も、この会合の前後で大きく動くことがあります。

ただ、8回すべてが同じ内容ではありません。年4回だけ、追加で公表される資料があります。 そして2026年9月15日と16日の会合は、その回にあたります。

この記事では、FOMCの仕組みと、9月会合で何が出るのかを整理します。

FOMCとは

Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会の略です。米国の金融政策を決定する会合を指します。

項目内容
開催回数年8回。約6週間ごと
日数各回2日間
決めること政策金利(FF金利)の誘導目標など
結果の公表2日目の終了後

必要に応じて臨時の会合が開かれることもあります。

FRBとFOMCの違い

混同されやすい点です。

FRB(連邦準備制度理事会)は組織です。FOMCは、そのFRBが主導する政策決定の会合です。

決定はFOMCで行われ、FRBが金融市場への介入を行い、各地区の連邦準備銀行が実施を担います。


投票するのは12人

ここは知られていない部分です。

FOMCの会合には、7名の理事と12の地区連邦準備銀行の総裁が参加します。しかし、投票権を持つのは12名だけです。

区分人数内訳
常に投票権を持つ8名7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁
持ち回りで投票権を持つ4名残り11地区の連銀総裁が輪番で担当

つまり地区連銀の総裁は、年によって投票できたりできなかったりします。

発言する人と、投票する人は違う

FOMCのメンバーは、講演や記者会見、シンポジウムなどで発言します。市場はそれらを政策の手がかりとして受け取ります。

ただし、同じ地区連銀総裁の発言でも、投票権を持つ総裁の発言のほうが影響が大きいとされます。

発言を材料として見るときは、その人物が今年の投票権を持っているかを確認する必要があります。

日本銀行の会合では、総裁・副総裁2名・審議委員6名の計9名全員が投票権を持ちます。この点は日米で構造が異なります。日銀の仕組みは日銀の金融政策決定会合とは?で扱っています。


反対票も公表される

決定内容とあわせて、賛成と反対の内訳が公表されます。誰が反対し、どういう主張だったかも分かります。

2026年の例を挙げます。

会合決定反対
1月28日3.50〜3.75%で据え置きミラン理事とウォラー理事が0.25%の利下げを主張
3月18日据え置き(2会合連続)ミラン理事のみ反対

1月の会合では、3回続いた利下げの局面がここで終了しました。声明では、経済活動は堅調に拡大しているが、雇用の増加は低位で、インフレは依然として高めという認識が示されています。

なお7月29日と30日の会合でも据え置きとなり、このときは複数の連銀総裁が利上げを主張したと報じられています。年の前半は利下げを求める反対、年の後半は利上げを求める反対と、方向が変わっています。

反対票の数と方向は、委員会の中で意見がどう分かれているかを示します。次回以降を考える材料になります。


何が公表されるか

会合をめぐる情報は、段階的に出てきます。

公表物タイミング内容
声明文会合2日目の終了後決定内容、賛否の内訳、景況判断
議長記者会見声明文の約30分後決定の背景、質疑応答
経済見通し(SEP)年4回のみ参加者による経済・金利の予測
議事要旨会合の約3週間後議論の詳細

記者会見では、声明文に含まれなかった情報が明らかになることがあります。質疑応答の中での発言が材料になることもあります。

議事要旨は、声明文と会見で主要な情報が出た後なので、新たな材料は少ないとされます。ただし、金融政策への注目が高まる局面では、公表後に市場が動くこともあります。


ドットプロットが出るのは年4回だけ

ここが9月会合に固有の点です。

FOMCは年8回開かれますが、経済見通し(SEP)が公表されるのはそのうち4回だけです。3月、6月、9月、12月の会合が該当します。

このSEPに含まれるのが、ドットプロットと呼ばれる図です。



ドットプロットとは

FOMCの参加者それぞれが、今後の政策金利をどの水準と見込んでいるかを、点で示したものです。年ごとの予測が縦に並びます。

誰の点かは明かされません。匿名で、分布だけが分かる形式です。

前回の公表から予測が変わっていれば、参加者の見方が動いたことになります。この変化に為替が反応することがあります。

ドットプロットは連邦準備制度の公式サイトで確認できます。

予測であって、約束ではない

ここを取り違えると読み方を誤ります。

ドットプロットは、その時点における各参加者の見通しです。将来そうすると約束したものではありません。

経済情勢が変われば、次の公表時には点の位置が変わります。実際、2026年3月のSEPでは、長期的な均衡金利の見通しが3.0%から3.1%へ、2026年末のPCEインフレ率の予測が2.7%へと、それぞれ上方修正されました。12月時点の予測から変化しています。

つまりドットプロットは、3か月ごとに更新される予測です。「今後この水準まで上げる計画」として読むと、外れたときに何が起きたのか分からなくなります。

市場が織り込んでいる確率とドットプロットは、別のものです。織り込みは金利先物から算出される市場の見方、ドットプロットは政策を決める側の見通しです。織り込みの確認方法はFOMCの利上げ確率はどこで見られる?で扱っています。


なぜ為替が動くのか

為替は2国間の金利差に大きく影響されます。米国の金利が上がれば日米の金利差が開き、ドルが買われやすくなります。

ただし動くのは、決定そのものよりも、決定によって見通しがどう変わったかです。

利上げが事前に十分織り込まれていれば、実際に利上げされても大きく動かないことがあります。逆に、据え置きでも会見の発言や声明文の文言次第で動くことがあります。

政策の局面によって、値幅が変わる

FOMC後の値動きの大きさは、時期によって差があります。

政策変更のない時期には、会合後のドル円の値幅が1円を超えることはあまりありません。一方、利上げ局面に入って以降は、会合後に2円以上動くケースも多くなったという分析があります。

政策が動く局面では、会合の重みが増すということです。


何を確認すればいいか

会合の前

  • 開催日程
  • 現在の政策金利の水準
  • 市場が織り込んでいる確率
  • SEPが公表される回かどうか

会合の当日

  • 政策金利の決定内容
  • 賛成と反対の内訳
  • 声明文の文言が前回からどう変わったか
  • 議長会見での発言

SEPが出る回の追加項目

  • ドットプロットの分布が前回からどう変わったか
  • 経済成長率、失業率、インフレ率の見通しの変化

会合の後

  • 米金利がどう動いたか
  • ドル円がどの水準からどの水準へ動いたか
  • 織り込み確率が何%になったか

取引上の注意

会合の結果発表と議長会見の時間帯は、価格が急激に動くことがあります。

現象内容
スプレッドの拡大流動性が低下し、売値と買値の差が広がる
スリッページ注文を出した価格と、実際に約定した価格がずれる
逆指値の飛び越え価格が急激に動くと、指定した価格を超えて約定することがある

FOMCの結果発表は日本時間の深夜になります。会見はその約30分後です。日本にいる場合、寝ている間に動く可能性があります。

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よくある質問

FOMCはいつ開かれますか

年8回、約6週間ごとに2日間の日程で開かれます。日程は連邦準備制度の公式サイトに事前に公表されています。2026年9月は15日と16日に予定されています。

政策金利は誰が決めますか

投票権を持つ12名の多数決です。7名の理事とニューヨーク連銀総裁が常任、残り4名は他の地区連銀総裁が持ち回りで担当します。

ドットプロットは毎回出ますか

出ません。年8回の会合のうち、3月、6月、9月、12月の4回だけです。

ドットプロットどおりに金利が動きますか

ドットプロットは各参加者のその時点での予測であり、約束ではありません。経済情勢が変われば予測も変わります。

議事要旨は相場に影響しますか

声明文と会見で主要な情報が出た後なので、新たな材料は少ないとされます。ただし金融政策への注目が高い局面では、公表後に市場が動くこともあります。

日銀の会合と何が違いますか

投票の構造が異なります。日銀は総裁・副総裁2名・審議委員6名の9名全員が投票権を持ちますが、FOMCは参加者のうち12名だけです。


まとめ

  • FOMCは米国の金融政策を決める会合。年8回、各2日間
  • FRBは組織、FOMCは会合。決定はFOMCで行われる
  • 投票権を持つのは12名。7名の理事とニューヨーク連銀総裁が常任、残り4名は持ち回り
  • 賛成と反対の内訳が公表される
  • 公表物は4段階。声明文、議長会見、経済見通し(SEP)、議事要旨
  • SEPとドットプロットが公表されるのは年4回だけ。 3月、6月、9月、12月
  • 2026年9月15日・16日の会合は、ドットプロットが出る回
  • ドットプロットは予測であって約束ではない。3か月ごとに更新される

会合の前に、今回がSEPの出る回かどうかを確認しておくと、何が公表されるかが分かります。9月は出る回です。

日銀の会合については日銀の金融政策決定会合とは?で、相場を見るときの軸は相場をたしかめるで整理しています。


※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。金融政策の見通しや相場の方向を予想するものでもありません。FXには損失が生じるリスクがあります。取引の判断はご自身の責任において行ってください。

※本文中の情報は2026年9月5日時点で確認できた内容にもとづきます。日程や公表内容は変更される場合があります。最新の情報は連邦準備制度の公表内容をご確認ください。

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