FOMCをまたいでポジションを持つか|何円の逆行まで耐えられるか計算する
FOMCや日銀の会合の前に、
持っているポジションをどうするか。
閉じるか、持ち越すか。
この判断は、動きそうだから閉じるという感覚ではなく、
自分の口座が何円の逆行まで耐えるかで決められます。
この記事では、耐えられる値幅を計算し、
実際に動いた幅と並べて確かめます。
この記事の要点
- 直近3回の大きなイベント当日に動いた幅は、0.69円から1.04円だった
- 資金10万円で1万通貨を持つと、証拠金維持率100%までの余裕は3.84円しかない
- ロットを半分にすると、耐えられる幅は2倍ではなく3.6倍になる
イベント当日に何円動いたか
まず実測から確認します。
2026年の直近3回です。
| 日付 | イベント | その日の米ドル/円 | 値幅 |
|---|---|---|---|
| 7月29日 | FOMC | 163.91円から163.22円 | 0.69円 |
| 8月28日 | ジャクソンホール講演 | 159.39円から160.20円 | 0.81円 |
| 9月11日 | 米CPI | 154.48円から153.44円 | 1.04円 |
いずれも1円前後です。
数円が一気に飛ぶような動きにはなっていません。
ただしこれは発表前後の主な振れ幅で、
その後の数日で同じ方向に伸びることは別にあります。
自分のポジションが何円まで耐えるか
口座資金10万円、米ドル/円を154円で1万通貨とします。
取引する金額はこうなります。
10,000通貨 × 154円 = 1,540,000円
必要証拠金は25分の1です。
1,540,000円 ÷ 25 = 61,600円
証拠金維持率は、口座の有効証拠金を必要証拠金で割った値です。
100,000円 ÷ 61,600円 × 100 = 162%
ここから逆行すると、有効証拠金が減って維持率が下がります。
| 逆行幅 | 評価損 | 有効証拠金 | 維持率 |
|---|---|---|---|
| 1円 | 10,000円 | 90,000円 | 146% |
| 2円 | 20,000円 | 80,000円 | 130% |
| 3円 | 30,000円 | 70,000円 | 114% |
| 3.84円 | 38,400円 | 61,600円 | 100% |
維持率100%に届くのは3.84円の逆行です。
100,000円 − 61,600円 = 38,400円
38,400円 ÷ 10,000通貨 = 3.84円
先ほどの実測は1円前後でした。
1回のイベントで届く幅ではありません。
一方で、余裕は4円ありません。
同じ方向に数日続けば届く距離です。
ロスカットが実行される維持率は口座の規定で決まります。
仕組みは
証拠金維持率とロスカットとは?何円動いたら強制決済されるかで扱っています。
ロットを半分にすると、耐える幅は2倍ではない
同じ資金10万円で、通貨量だけを変えて計算します。
| 通貨量 | 必要証拠金 | 維持率100%までの値幅 |
|---|---|---|
| 1万通貨 | 61,600円 | 3.84円 |
| 7千通貨 | 43,120円 | 8.13円 |
| 5千通貨 | 30,800円 | 13.84円 |
| 3千通貨 | 18,480円 | 27.17円 |
| 2千通貨 | 12,320円 | 43.84円 |
1万通貨から5千通貨へ半分にすると、
耐えられる幅は3.84円から13.84円になります。
2倍ではなく3.6倍です。
理由は、資金が変わらないまま必要証拠金だけが減るためです。
1万通貨では10万円のうち61,600円が拘束され、
損失に使える余力は38,400円しか残りません。
5千通貨なら拘束は30,800円で、
余力は69,200円になります。
余力が1.8倍になり、
その余力を割る通貨量が半分になる。
この2つが掛かるため、3.6倍になります。
持ち越すと決めた場合に確認すること
余力の幅が、直近の実測より十分に広いか。
この記事の例では1円前後に対して3.84円でした。
逆指値を置いている場合、
その価格で約定するとは限りません。
発表直後は価格が飛ぶため、
指定した価格より不利な水準で成立することがあります。
損失の計算は、この滑りを見込んだ幅で置き直します。
会合が週の後半にある場合、
そのまま週末をまたぐかどうかも別の判断になります。
閉じると決めた場合のコスト
閉じて建て直すと、スプレッドを2回分払います。
持ち越しを避ける代わりに、
この往復分が確実な費用として出ていきます。
金額の計算は
FXの手数料は本当に無料?スプレッドが年間いくらになるか計算で扱っています。
どちらを選ぶにしても、
比べる対象は感覚ではなく金額です。
会合の日程と、結果の確かめ方
2026年9月は、15日から16日にFOMC、
17日から18日に日銀の金融政策決定会合が開かれます。
日本時間では、FOMCの結果が17日の午前3時、
日銀の結果が18日の昼です。
それぞれで何が決まるかは、
FOMCとは?日程・ドットプロット・為替への影響と
日銀の金融政策決定会合とは?日程・決まり方・為替への影響にまとめてあります。
市場がどこまで見込んでいるかは
FOMCの利上げ確率はどこで見られる?市場の織り込みを確認する方法で確認できます。
相場のイベントを扱った記事は
相場をたしかめるにまとめてあります。
陥りやすいミス
維持率だけを見て、値幅に直さないこと。
162%という数字からは、
あと何円動いたら危ないのかが分かりません。
円に直して初めて実測と比べられます。
ロットを減らせば耐える幅も比例して増えると考えること。
必要証拠金が減る分だけ余力が増えるため、
増え方は比例より大きくなります。
逆指値を置いたから損失は確定していると考えること。
発表直後は指定した価格で成立しないことがあります。
おさらい
- 直近3回のイベント当日の値幅は0.69円から1.04円だった
- 資金10万円で1万通貨なら、維持率100%までの余力は3.84円
- 同じ資金でロットを半分にすると、耐えられる幅は3.6倍になる
- 持ち越すなら、余力の幅と実測を比べる。逆指値は滑る前提で計算する
- 閉じるならスプレッド2回分が確実な費用として出る
- 判断の材料は感覚ではなく、円に直した金額にする
次に読む記事として、強制決済の仕組みなら
証拠金維持率とロスカットとは?何円動いたら強制決済されるか。
会合の結果を確かめる手順なら
FOMCとは?日程・ドットプロット・為替への影響が続きになります。
本記事は情報提供を目的としたもので、
特定の取引を推奨するものではありません。
数値は2026年9月16日時点で確認したものです。
必要証拠金は建玉時のレートで固定して計算しており、
実際の維持率は保有中のレートで再計算されます。
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